会計士のデザインノート

ヒトとカネの交差点

病というリスク ~病に倒れ貧困に陥る可能性は?

 
こんにちわ、tomです
 
東洋経済の「貧困の罠」という特集が組まれており、オンライン記事でもこのような記事があがっていました。今回は、「病のリスク」について考えてみました。

toyokeizai.net

 
週刊東洋経済 2015年 4/11号 [雑誌] 週刊東洋経済 2015年 4/11号 [雑誌]

東洋経済新報社 2015-04-06
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会社勤めで病に陥り、退職。フリーエージェントになったが、、、

この記事では、年収1200万円だったIT企業に勤めていた人が、脳の病気になって無事復帰したが、うまく復帰できず退職。その後フリーエージェントとなったが、親の介護等もあり、うまく稼げず年収300万円に、、、というエピソードが紹介されています。
 
他人事ではありません。いつ、いかなるときにでも、誰もが病に倒れる可能性はあります。親の介護だって、高齢化がさらに進む状況において過半数の人が経験するようになるでしょう。
 
 

自分が病に倒れる確率は?

実は、私自分、病に倒れたことがあります。過労+メンタルを病んでしまい、3ヶ月ほど休暇をいただきました。その後は無事復帰し、いまはゆるーく働いています。私の周りでも、母親が脳の病気で倒れました。命に別状はありませんでしたが、来月手術を予定しています。脳の血溜を回復のある若いうちにとるほうがいいそうです。また、独立していた会計士の先輩も脳の病気でたおれました。突然事務所で倒れたらしく、完全半身麻痺の状態に陥りました。2ヶ月半の入院と3ヶ月のリハビリをへていまはもう普通に働いています。
 
では、病に倒れて復帰したあと、年収はどうなったのか?貧困に陥ったのか?というと、そんなことはありません。
私自身はむしろ普通に復帰でき、その後も無事昇格できいまあ元の年収と比べて大差ありません(休暇中と復帰直後は激減しましたが)。母親もややブレーキをかけていますが、半分になるとかそういうレベルではありません。独立した知人も、正確にはきいていませんが、貧困とまではいっていないでしょう。
 
このように、私の周りには病で倒れたことがある人が多く(不幸中の幸いで若くして命を落とす方はおりません)、年収もそこまで落ちていない。
ですので、記事は本当に最悪のケースに思えてしまいます。もちろん、これは近い目に見えやすいことだけをみてしまっているバイアスなのですが。実際、東洋経済の記事にもあるように傷病により貧困に陥ってしまう方はどれくらいいるのでしょうか。
 
厚労省の統計をみてみました。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/26111804.pdf

第20回社会保障審議会生活保護基準部会 参考資料より)

 

こちらをみると、傷病者・障害者世帯が45万世帯。全世帯の1%にも満たない状況です。これが高い割合なのかは色々な考え方があると思います。確かにマイノリティではあるのですが。そういったマイノリティを救うことは非常に大事ですし、政府がやるべきことだとも考えられます。

 
では、この1%にも満たないという確率をみてどうでしょうか?「自分は病に倒れる確率は低そうだな」と思いましたか?
注意しなければならないのは、これは過去に傷病者となってしまった人の割合であって、厳密にはこれからの将来に病に倒れる確率ではないということです。とはいえ、そんな予測は不可能ですので、この1%をどうやったら回避できるのか考えてみましょう。
 
 

どうやったらリスク回避できるのか

「病に倒れ貧困者に陥るリスク」を考えるとき、まず考えるべきは「最悪許容できるレベルはどの程度か(どれくらいリスクをとれるか)」ということです。言い換えれば、「病に倒れたらどの程度生活に困るのか」を明確にしていくことが重要だと考えます。
 
ただ漠然と、「病になったらやばいから、保険に加入しておこう!」といって高額な保険料を支払うのはよくありません。「こういう病になると収入が減る、家族がいるから生活費xx円分の保証が必要。子供の学費も必要」といったふうに具体的に考えていく必要があります。逆に言えば「家族いないしつくるつもりもないから、病に倒れても困るのは自分。自分が苦労するだけだし、確率も低いから保険なんて入らない」なんて考え方もアリだと思います。
 
結局は、「許容できるリスク」は個人個人違うのだから、それを各人が明確にし、そのリスクに適切な対策を講じることが重要であるということです。もちろん、全てのリスクを回避することはできませんが、軽減することはできますので考える価値はあると思います。
 
私は保険の営業でもFPでもありませんので、詳しい話はそういう業者さんやサイトにおまかせします。ただ、私がいいたい、そしてやっておきたいことは、、
 
  • リスクを明確にする
  • 許容できるリスクはとってもいい
  • 許容できないリスクには適切な対策を講じる
  • 適切な対策は、働き方の柔軟性と金融商品(貯金や投資、そして保険)で行う
  • 何よりも心身ともに健康であることを心がける
 
こういうことかと思いました。
 
「許容できるリスクはとって、リターンを得る」というファイナンス理論とつながるところが多分にありますね。
 
(保険見直さなきゃな、、、 )
 
 
それでは、また。( -ω- )ノシ
tom
 
 
 
週刊東洋経済 2015年 4/11号 [雑誌] 週刊東洋経済 2015年 4/11号 [雑誌]

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