食育と農業 ~結局はおいしいものをどう伝えるか
こんにちわ、tomです。
ついこのあいだ、農家の方から相談を受けました。
「Webをつかって、野菜が育っていく様を画像や動画とかで配信して、食育に役立てたい。育てている人の思いとか、食べ物のありがたさを肌で感じられるんじゃないか」と。
これは面白い取り組みだなと思いました。
ただ、ふと思ったのが「食育」とは何か?そして、消費者は何を求めているか?消費者に何を受け入れられるのか?ということ。
私が考える食育とは
自分が考える食育とは、次の3つです。子供にもこれをやりたいと思っています。
- 本当に美味しいもの=本物を食べることでわかる
- 農作業をすることでわかる
- 料理をすることでわかる
食育とは、決して、「生産者が努力して作っているという大変さ」「トレーサビリティなどの色の安心/安全」を教えたり学ぶことではありません。もちろん、それは知っていてよいものですが、一つのトピック、細部、もしくは表面的なものでしかないと思うのです。
本当においしいものをしっていれば、安心/安全なんていらない。そもそも本当においしいものに危険なものなど入っていないからです。添加物の味に慣れてしまえばそれが美味しいと感じるかもしれませんが、子供のころからしっかりと食物そのものの味を知っていれば、おかしい、変な味がするって、わかるものです。それにおいしいと思えば、その食材や料理に感謝するでしょう。これは奇跡だと。もちろん、その先の料理人や生産者にも感謝することでしょう。「こんなにおいしいものをつくってくれてありがとう」と。
農作業をすればその大変さや食物を得ることの奇跡を知ります。言葉が悪いですが、どこの誰だかしらないおっさんやおばさんが努力していようがいまいが関係ありません。「自分が」作ってみることで、自然の奇跡を知るのです。そこではじめて自分が居る環境、この地球や国、地域、いまここに感謝することができます。
料理をすればいろんなことがわかります。おいしい食材をよりおいしくすることの難しさがわかります。そこに文化と科学をみます。そして、それは歴史でもあります。先人たちの歴史、文化、科学の結晶なのです。人類の歴史、それを感じることになるでしょう。
Webなんて使わなくても、普段から(農作業以外は)できることです。おいしい食材には少しお金がかかるかもしれませんが。料理は誰でもできるはずです。義務教育を受けていれば。
消費者は何を求めているのか?何を受け入れるのか?
一言でいえば、「安心・安全」「大変さ」みたいなことで消費者は農産物を買わないということです。1回は買っても、それは継続しないと思います。なぜなら、消費者はそれを忘れてしまうからです。なぜ忘れてしまうかというと「いいな」と思わないからです。ある種、リスクをあおりそれを守るための「安心・安全」というあおりだからです。努力したら売れるという押しつけにしかすぎないからです。
「食」を支援してくれるWebサービスが流行っているのには、ここに根源的な価値みたいなものがあるからでしょう。たとえば、クックパッドは料理を助けてくれます(最近時短、お気軽レシピがはやっていて、若干、上記の感じを味わえないと思うことがありますが)。オイシックスはおいしい野菜を手軽に届けてくれます。農作業体験などもWebで検索すれば一発ででてくるし、今週末にも出かけることができるでしょう。
結局は「ほんとうにおいしい」ものを届けるしか消費者には伝わらないんじゃないかなと思います。もちろん、「ほんとうにおいしい」んだけど、それがうまく伝わっていない、それをうまく伝えるためにいろんなやり方があると思います。
「ほんとうにおいしい」を感じてもらうには
どうしたらいいのでしょうか?農作業を実際に体験して汗をながしたあとにたべるごはんはおいしい、農家ならではのおいしい料理の仕方を教える、などなど。Webツールも使ってもいいでしょう。
「おいしい」という経験は、脳に作用し、「これはおいしい体験ができるぞ」と思わせれば勝ちです。1回そう思うと、それはもう「ブランド」になり、継続して消費者は買ってくれるようになるはずです。少なくとも、私はそうです。農業体験をしておいしいと感じた野菜を、隔週で買ってます。少し高いけど、やっぱり味が濃くておいしい。そういう気がするのです。思い出補正は多分にあるでしょう。でもそれでいいのです。
農業経営というのはいろいろなやり方があります。ですが、やっぱり消費者は「おいしいもの」を求めていると思います。それをどう引き出すかは農業家次第。
私の農業論は 大学の先輩である久松さんと実父から得ています。甘い農家の考え方をぶっとばしてくれます。実父の経験からも本当に思います。(実父は農業から脱してしまいましたが、、)
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それでは、また。( -ω- )ノシ
tom