会計士のデザインノート

ヒトとカネの交差点

日本のクラウドファンディングは「高い」「遅い」「少ない」 〜リソース調達方法の多様化

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こんにちわ。いい天気ですね〜。

 

今回は、クラウドファンディングサイトについて調べてみました。

まとめサイトもいろいろあるので、個別の内容はこちらに譲ります。

matome.naver.jp

 

近々、実際に使ってみるかもしれない、ということで一ユーザー視点として思ったことをメモっておきたいと思います。(写真は雲=cloud。ファンディングはcrowdです。わざとです。間違えてませんからねw)

 

 

クラウドファンディング調査対象

調査対象は下記のサイトです。主に国内。米国大手2社。
 
・キャンプファイヤー 
・レディーフォー 
・マクアケ
・モーションギャラリー 
・ファーボ 
・シューティングスター 
・カウントダウン 
・グリーンファンディング 
・ウィシム 
・Kickstarter (米国)
・Indiegogo(米国)
 
 
 

調査してみて驚いた!「高い」「遅い」「少ない」、、

調べてみて驚いたのが、下記3点。一言で言えば、「高い」「遅い」「少ない」ですね。
 
  • 国内サイトでは手数料率がだいたい20%。(米国2社は~9%程度)
  • 申請~募集~達成~入金までの期間が長い。特に目標達成~入金までは1~3か月くらいかかる。(米国2社は15日以内。Kickstarterは2日!)
  • 国内最大調達金額は30百万円程度(本ブログ調べ)
 
スタートアップやミニマムビジネス、はたまた寄付支援に近いところでの資金調達がメインとなるクラウドファンディングといえども、これは資金調達する側からすると使い勝手がいいとはいいにくいと思います。資金調達機会の敷居が下がったのはいいことでしょう。また、まだまだ浸透普及していない、といってしまえばそれまででしょうが。
 
 
 

「高い」:手数料がとられて、、、

とはいえ、資金調達する側にとっては、厳しいです。
 
特に手数料率ですが、たとえば、国内最大調達金額30百万円を調達できたとしましょう。そうすると、資金調達で入ってくるお金は30百万円×80%=24百万円。うーん、高い手数料率。この点、米国のメジャーなサイトでは一桁%と低い数値。難しい資金調達のコストとはいえ、結構もっていかれます。手数料率については、今後サイト間の競争が激化すれば下がっていくものと思いますが、どうなんでしょう。ある程度、寡占になりそうな予感しかしないのですが、、、(根拠はない)
 
ただ一方で、補助金助成金の代替と考えれば悪くないかと思います。補助金助成金は書類の準備が大変な割には、下記のような制約もあります。
  • なかなか通らない(堅いものが通るイメージ、ネタ系はアウト)
  • 通っても上限金額が小さい
  • 実費の1/2や1/3程度しか出ない
ですので、実費の1/2などしかでない助成金にくらべれば20%など大した手数料ではない、とポジティブに考えることもできます。(ポジティブすぎるか?)
 
現時点では、日本のクラウドファンディングはまだまだ米国に比べて高いので、「高い」としておきましょう。
 
 
 

「遅い」:実際の入金までの期間が長く、待てるのか、、、

手数料率はビジネスとしてしょうがないとしても、入金までの期間が長いのがつらいところです。
 
  • 申請~審査:1週間
  • 審査~募集~達成:30~45日くらい(1日からできるけど人気はこのくらい)
  • 達成~入金:1~3か月
 
って、申請してから、早くて2か月、遅いと5か月くらいかかります、、、スピードが必要なスタートアップやミニマムビジネスだと結構しんどいですね。特にアイデアみたいなものを開示するケースも多いでしょうから、達成しても、大手に真似されてやられてしまった、、、なんてケースもでてきはしないのでしょうか。
 
いまのビジネスやネット社会で2〜5ヶ月は明らかに「遅い」ですね、、、米国のクラウドファンディングは1ヶ月程度で調達できます。この点は日本、頑張れ!
 
 

「少ない」:大きな資金調達は難しいけど

国内最大調達金額は、30百万円程度です(マクアケでの調達だったかと思います)。ちょっとしたアイデアを実現したい場合にはありな金額です。しかし、設備を買うとか従来型のイニシャルコストが大きくかかるようなプロジェクトには適していません。小さな試作でクラウドファンディングを利用して調達、その後試作でうまくいけば、試作で生じた利益や新たな調達先を原資として成長していく形になるのでしょう。
 
特にベンチャーのスタートアップの場合には、数百万程度を調達するんであれば、自分で貯金して起業するのが効率的かもしれませんね。IT系スタートアップにとっては、時間がもっとも貴重な資源です。クラウドファンディング資金調達に時間をかけるのであれば、それくらいはリスクとって、開発に時間をかけたいところです。スタートアップの段階から資金調達ばかり考えていては、いつまでやってもプロダクト・サービスをリリースできないのではないでしょうか。
 
もちろん、スタートアップにとっては選択肢が増えたことはいいことですね。半分は自己資金、半分はクラウドファンディングなど組み合わせたりもできます。
 
 

資金調達機会が増えたのはいいこと。リソースの調達の多様化へ。

スタートアップ企業だけでなく、いままで資金調達の機会にめぐまれなかった個人や非営利団体にとっても、いい機会であることはまちがいないでしょう。
 
結局のところ、クラウドファンディング資金調達会のAmazon的なイメージなのかな、と思っています。ロングテールです。本当に誰がこんなのに金を突っ込むんだ?と突っ込みたくなるようなものが、資金調達できてたりします。
 
このように資金調達の幅が広がることで、様々な資金需要にこたえることができ、ビジネスや非営利の活動にも多様性がうまれ、面白いものが続々と出てくるといいなあと思います。
 
 
いまはまさにリソースの調達方法が多様化してきていると感じます。それはITや通信インフラが整ってきたことが大きいです。たとえば、こんな感じでしょうか。
 
「ヒト」:クラウドソーシング
「モノ」:Amazonなどのラストワンマイル物流
「コト」:Wikipediaや質問掲示板、いまや専門家が答えるものもある
 
リソースの調達方法が多様化するとその先には何が起こるのでしょうか。想像するだけでわくわくしますね。GWはSF小説でも読みたくなってきました(関係ない)。
 
 
それでは、また。
( -ω- )ノシ