会計士のデザインノート

ヒトとカネの交差点

東芝の株主総会が開催されました ~工事進行基準などに係る不正会計についての内容

 

 
こんにちわ。
 
昨日6月25日に東芝株主総会が開催されました。
その内容の一部が東芝のIRに掲載されていましたので、メモしておきます。

www.toshiba.co.jp

 
  • まだ不正による会計数値への影響は確定しておらず、7月中旬に確定する予定である。
  • 6月12日時点で判明している内容からは、2009年度~2013年度の累計で営業利益はマイナス512億円と見込まれている。(①工事進行基準に関するもののみ)
  • 工事進行基準以外の部分で、第三者委員会に調査依頼している項目の影響額は不明である。(②映像事業における経費計上、③半導体事業における在庫評価、④パソコン事業における部品取引等)
  • 工事進行基準以外の部分で、第三者委員会に調査依頼していない項目の影響額は、2009年度~2013年度の累計で営業利益はマイナス36億円と見込まれている。
  • 第三者委員会に調査依頼している項目について判明している内容の概要は下記のとおり。
    • 工事進行基準
      実現可能性の低いコスト削減策が織り込まれている、などの理由から工事原価総額の見積もりが不適切であった。
    • ②映像事業における経費計上
      引当金の計上時期が適切でなかった、仕入購入価格をベンダーと調整し支払の一部を翌期に繰り越すことで原価を翌期に繰り越していたなど
    • 半導体事業における在庫評価
      標準原価の改訂がタイムリーに行われず、標準原価差異が過大に棚卸資産に計上されていた。
    • ④パソコン事業における部品取引
      外注先に売却した部品の一部が、外注先から購入している製品に含まれ、利益計上の処理が不適切である可能性がある
 
監査法人は新日本ですが、工事進行基準の「実現可能性の低いコスト削減策」をどのように判断したのか、7月中旬の報告では明らかになるのでしょうか。私も工事進行基準について監査をがっつりやったことがある身として非常に興味がある点です。
 
 
それでは、今日も一日おもしろく。
( -ω- )b